AN ENQUIRY INTO THE MEANING OF TENSE AND MOOD IN THE ENGLISH
わたしの卒業論文1999 / 細江逸記博士に捧ぐ
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INDEX掲載の論文(PDF)は、1998年に書いた卒業論文を元にしたものです。 学生時代の粗削りなもので、訂正や加筆すべき、お恥ずかしい部分が多数ありますが、オリジナルの文法解説です。
2020年5月現在、アップデートはしていません。
私は、このサイトによって多くの大学の研究者の先生方に出逢うことができました。感謝しかありません。
個人的な卒論指導も無料でしていました。何時間でも話せます。経験:大阪大学、広島女学院大学、明治学院大学、聖心女子大学ほか
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英文の基本は、
です。
※「動詞の形」ではない。分詞や動名詞はTENSEではない。「Vの部分にある動詞」の形(屈折)のことである。
Vの変化は、原形(不定詞)、現在形、過去形の3つしかありません。
例:劇的現在(史的現在)
例:仮定法。仮定法の帰結節は、法助動詞の『過去形』の構文に過ぎない。タラレバの話は、想像の主観でしか言えない。
※仮定法現在は仮定法ではなく原形動詞の用法に過ぎないと考えていますので含めません。
原形動詞(不定詞)の表すものは、命題です。
時制は時間とは違うものである。私の頭の中にある英語の文法は、こんな構造です。
戦前、細江逸記博士というものすごくアタマの良い人がいた。彼が、著書『動詞時制の研究』と『動詞叙法の研究』とで論じていたことは半分は間違いではないが、WILL(現在形)を心象世界を表現する語(過去形)扱いする点で自己矛盾を抱え、たたかれていた。いいとこまでいったのに。しかし、私の理論にはその矛盾を解決する理論があります。英語の時制は時とは無関係。つまり、学校英文法で教わってきた過去→現在→未来という斬り方は間違っています。英語のTENSEは、現在形と過去形との2形態であることは周知の事実です。つまり未来形と説明されてきた助動詞willやshallは形態的に現在形であるから、未来形を認めるべきではない。第一、ゲルマン語の特質として英語は本来2時制でないとおかしいのだよ。しかも、現在形は必ずしも現在だけを表さないし、過去形だって必ずしも過去だけを表さない。すなわち現在形には「未来」や「普遍の真理」、「劇的現在」などの用法が知られ、過去形には「仮定法」の用法(この時、過去も過去完了も同じとする)が知られているわけだ。つまり英文法には、実は時とは異なる意味論的文法規則と尺度があって、2次的に時間も表すことができるというだけなんです。その証拠に、例えば日本語には時制はなく法があるのみでも、ちゃんと時を表すことはできる。第一、英語もひとつの言語である以上、時間の経過ぐらい表せないようでは不自由でしょうから、時の経過を表すことは当たり前なんです。だから英文法を時の尺度で分けてはいけないんです。本来シンプルな英文法がより複雑化してしまい、僕らは混乱してしまいます。 僕は完了相(完了形)を時制として認めない立場を採っている。なぜなら、時制の一致の問題を解く時に、現在完了は現在形として、過去完了は過去形としてhave(had)のみを見て処理するほうが混乱がないことを知っているからなんだ。それに、こうすれば英語の時制は現在形と過去形との2つに絞られる。ここで英語の時制は形態的に2時制であるとする立場は守られる。さらに仮定法も仮定法過去と仮定法過去完了とがひとつになり、残るは仮定法現在のみとなる。ところがこの仮定法現在は、実は古い英語で、アメリカ英語にはあるが英語の本家イギリスではもう使われていない。イギリス英語ではshouldを入れて事実上仮定法現在を直説法過去で表している。よく仮定法現在は法助動詞shouldの省略で残った動詞の原形であるとか言われるが、これは間違いで、仮定法現在の進化形なんです。つまり、法助動詞が発達してきたために、仮定法は直説法過去形で言い表せるようになった。昔あった仮定法専用の動詞の活用形はもうほとんどないんだ。これで、すべての仮定法は事実上直説法過去に収束し、よってすべての仮定法は過去形のひとつの用法に過ぎないことになる。それではいったい現在形とは、過去形とは何なのか?これが僕の論のテーマなんですが、文法が違っても試験の文法問題はちゃんと解けます。さらにこの非常にシンプルな英文法は、文法問題をもっと簡単に解答できるようにするばかりでなく、実際の会話や英文の購読においても、発話や理解を従来よりもずっと容易にするのです。